灰色キャンバス

革小物、読書、アナログ好きの戯言

今週読んだ本の感想でも

今週読んだ本は3冊でした。

 

 

作品のちょっとした感想を書くが、ネタバレを含む可能性があるので、見る人はご注意願いたい。

 

ストロベリーナイト
知人から誉田哲也を大絶賛されて、特に『ストロベリーナイト』はお薦めとのことで読んでみた。ちなみに誉田哲也の作品を読むのは初めてである。

とにかくグロの描写が凄まじかった。ピエール・ルメートルでグロ耐性はついているから平気と完全に油断していたが、負けず劣らずのグロさだった。

 

最初の死体が発見された時の不可解性には大興奮した。
何故、腹にあのような傷が? 何故、死体を目立たない工夫をしているのに、あのように目立つ場所に遺棄したのか? これはミステリー好きを唸らせる作品に違いないと読み進めるも、姫川の勘の鋭さにより一気に捜査が進んでしまった。え?

 

ストロベリーナイトという殺人ショーが行われており、これに関わるのは非常に危険だとされ、事件担当の刑事にすらもその忠告がなされ、今すぐに手を引けと言われる始末。この巨大勢力にどのように姫川たちは立ち向かっていくのか? しかし最後はストロベリーナイトの主力2人の仲間割れにより終了。え?

 

知人には「グロの描写が凄い作品だったね」くらいの感想を言って終わりになりそう。大ファンに上記のような感想はとてもじゃないが言えないので。誉田哲也好きの人がこのページを見たらと思うと恐ろしくて仕方ないのだが、好みや感じ方というのは人それぞれということで広い心で許して頂ければと……

 

ブルーマーダー
知人のお薦めであるストロベリーナイトは読んだので、次は比較的レビューの評価が高いものをということで、ブルーマーダーを読んでみた。
ストロベリーナイトが姫川シリーズ1作目なのに、ブルーマーダーは6作目と途中をかなりすっ飛ばしてしまう形になってしまった。

 

姫川と菊田のやり取りは、途中をちゃんと読んだ人には感動的なものだったはず。自分は途中をすっ飛ばしたにもかかわらず、この2人のやり取りはすごく良かった。

話の展開も、各章の始めはブルーマーダー視点、その後は刑事視点と読みやすく、臨場感のある構成。更に時系列が微妙にずれているのも憎い。


肝心のブルーマーダーによる殺しは、これまたストロベリーナイトに匹敵するグロさ。グロいというよりはこっちは恐ろしくなった。

ただ、ブルーマーダーとされる者の変わり様には疑問だった。裏切りがあったとはいえ、人ってここまで変わるのだろうか? そして真相を知って本来の人物に近い状態に戻る。あまりにも心情の変化が大きすぎて、ブルーマーダーに感情移入はできなかった。

 

このような警察小説はほぼ読まないため、良さがいまいち分からなかった。もっと警察小説を読んでから、2〜5作目を読んでから再読すれば感想も変わるのかもしれない。とりあえず知人には「なんとブルーマーダーも読んでみたんだよ」と言えば、喜んで貰えるだろう……


迷宮館の殺人
やはり綾辻行人だ。綾辻行人は面白いぞ。非常に良かったので、別記事にて感想を書こうと思う。
なので感想は終了。……ではあまりにも淋しいので、ここでも少しくらいは書いておきたい。

 

どんでん返しされたと思ったら、更にどんでん返しを食らって、何をされたのか分からない。この小説では3度騙されることだろう。

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作品の中に作品があるという構成も面白い。本編は本編じゃないんだけど、本編としても十分な面白さ。何を言っているのか自分でも分からなくなってきた……

 

この人の作品って「小説という枠組みの文字だけの世界で、如何に読者を騙すか、楽しませるか」を考えられている。十角館を読んだ人ならこの感覚がきっと分かるはず。そしてこの『迷路館の殺人』でも同じ感覚を喰らうことになる。


今週読んだ3冊の中でのお薦めは『迷路館の殺人』です。
とにかく読んでいてワクワクする作品。そして自分はやはりミステリーが好きなのだなと。