灰色キャンバス

革小物、読書、アナログ好きの戯言

オンワードが試着のみの店舗

オンワード「売らない店舗」出店:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO65228930Q0A021C2TJ1000/

 

ポイント

  • 試着のみの店舗
  • 購入はネット通販で商品は配送
  • 店に在庫を持たずに済む

 

複数のオンワードブランドを1つの店舗で扱ってくれるなら、気に入った商品も見つけやすそう。オンワードで有名なのはカルバン・クライン、JOSEPH、23区あたりだろうか(個人の見解です)

 

面白そうな試みではあるけど懸念点も。

店舗では試着だけして、注文は店頭か自宅でネット通販を利用して購入するみたいなのだが、その場の勢いを殺してしまうと、注文しなくなるんじゃないかなと。

 

服を買う時って、その場の勢いだったり、散々試着だけして帰るのも悪いなとか、店員さんの猛プッシュと誉め殺しに押し負けて買ってしまうことが多い(自分だけか?)

買った後で冷静になってしまい、家に着く頃には「なんで買ってしまったんだろう……」とか「これ必要無かったんじゃ……」みたいになることもままある。

自宅に帰ってネット通販で買うとなると、すっかり冷静になった後なので、やっぱりいらないってなり注文しない可能性が高い。

 

ただ、逆を言うと、その場の勢いに負けて買う必要がないので、気軽にお店に行けるのかなと。自分みたいな接客されるのが嫌いな人間には良さそう。試着を好きなだけして帰って、本当に気に入った商品を後で注文する気軽さは魅力。

 

結局どっちやねんって感じの書き方になってしまったが、冷静になって購入しないという懸念点はあるものの、気軽にお店に行けるのでチャンスもあるのかなと。

 

まあ、そのなんだ、お店に一番求めるのは、「俺に話しかけるな!」って事なんだけどさ。

ゆっくりと見たいわけ。ユニクロみたいなスタンスでいいわけ。放っておいて。

店員さんが近づいてくると話しかけられるの嫌だから、見たかった商品から離れちゃうもん(離れても離れてもついてくるんだけどさ)。お願いだからそっとしておいて欲しい。

 

一番酷いのは、店に入った瞬間に話しかけてくる人。まだ商品見てないんだけど……

あくまでも商品を見に来たのであって、話をしに来たわけじゃないんだ。それに話しながらだとゆっくり見れないんだわ。話しかけ方も「今日の気分はどんな感じすか?」みたいな軽くて、どうしようもないものだった時はそのまま店を出た。

 

ブランドによっては、商品見てても暫く話しかけてこない所もある(なんならこっちが聞くまで話をしないまである)。お客にはじっくりと商品を見てもらい、適切なタイミングを見極め話しかけてくるのが絶妙だ。こういう方が絶対に良いと思うんだけどな……

 

試着だけの店舗は面白いけど、それ以上に「俺に話しかけるな」バッジを用意した店舗を作って欲しいものだ。

さらばだ江古田シャノアール

江古田のシャノアールが本日で閉店してしまった。悲しい、本当に悲しい。スタッフの皆さん、今までお疲れ様でした。

 

最後は窓側の席に座れたので良かった。これも日頃の行いってやつだろうか。

窓側の席から見る江古田駅の風景が本当に好きだった。駅のホームでただ電車を待ってる人たちを見るだけでも、そこには様々なドラマがあったように思う。

こちらから見えるってことは、逆にあちらからも見えるわけで、私が読書してたり、スマホでゲームしてる姿をよく目撃されたものだ。深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいている。

 

最後はいつものメニューで締めくくった(最初で最後のジャンボパフェに挑戦しようとも考えたが……)

これだけ落ち着ける空間はなかなか無いので、明日からどうしたものか。……いや、今はシャノアールでの思い出に耽る方が大事か。

 

いつまでもあるものだと思っていたのに、別れってやつはいつでも急にやってくる気分屋だ。

いつまでもあると思うな親とシャノアール

 

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シャノアール

 

【読書】ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~

結論から書くと、素晴らしい作品の一言。人の死ぬミステリーばかり読んでいたので、人の死なないミステリーも良い物だなと。

 

各話が作品のタイトルになっており、その作品に沿ったストーリー構成となっていて楽しめる。作品自体を知らなくても、各話のストーリーがちゃんと合ってることや、ちょっとした概要を栞子さんが大輔に説明するので、それで何となく知ることができる。大輔が本を読めない体質だからこそ、栞子さんにどんな話なのか説明してもらい、それを読者に伝えるのは上手いなと。

 

さて、ここからはなるべくネタバレしないように感想を書いていくつもりだが、どうしても内容の話が出てしまうので、まだ読んでない人は注意してこの先は進んで欲しい。

 

プロローグでは栞子さんとの出会いについて。大輔がまだ高2の頃の話。出会いと言っても、一目見て綺麗な人だなと思う程度で、そこから発展するどうこうは無く、伏線的なもの。ここで大輔が自分がもっと積極的であれば、栞子さんとお近づきになれたのだろうかみたいな話をするが、これにはうんうんと頷いてしまった。人生は行動1つでガラッと展開は変わるものだし(それが奏功するかは蓋を開けてみるまで分からないものだが……)、最近はその中でも積極性ってのは非常に重要だと思っていたので。

 

さて、1話ではいきなり大輔の出生に関して割と重要な話に。物語はまだ始まったばかりなのに、いきなりぶっちゃっけてしまっていいのだろうか。この出生の話は4話とリンクする。

 

個人的には3話の論理学入門、もとい坂口夫妻が非常に好きだった。段々と目が見えなくなりつつある坂口さんと、坂口さんのことが好きでたまらない奥さん。ラストでは夫婦愛について論理的に展開していくシーンが良かった。

また、4話でもチラッとこの坂口夫妻が登場するのだが、奥さんが坂口さんの腕をしっかりと組んでベタベタしている。視力を失いつつある坂口さんをリードしてくれる、自分が坂口さんの目となる奥さんの優しさだ。ベタベタな奥さんがしっかりと映えるシーンだし、本当に綺麗な愛の物語りだなと。

 

そして物語は最終章へと。何故、栞子さんが足を怪我して入院していたのかが打ち明けられる。

とあるコレクターが栞子さんの所持している古書を何としても手に入れようとし、その方法がどんどん過激になる。見事に古書に纏わる事件で、タイトルに相応しいミステリーというわけだ。コレクターによる何としても手に入れたい精神とこれが事件に発展してしまうのは、現実にも十分起こりうる話だと思う。

この犯人であるコレクターもいきなり出てきたわけではなく、以前の話でチラチラ登場しているのが憎い。そしてこの犯人、大輔と意外な関係であることが判明する。これは1話とリンクするので、1話にパラパラと戻りたくなる。上手い。

 

物語の終わり方、最後の数行も素晴らしかった。これ以上に栞子さんらしい終わり方は無いのではないだろうか?

 

事あるごとに素晴らしいを連呼してて、ちょっとアレな感想になってしまったけど、とにかく素晴らしかったので仕方あるまい。

本好きのためのミステリーなので、本好きな人たちはぜひ。って、もうとっくの昔に読んでるか。

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展に行ってきた

3/3の開幕と同時に行く気だったのだが、コロナの影響で開幕が延期。一度逃すとズルズルと先延ばしになってしまい、ようやく先日行ってきた。

 

入場券は既にすみっコてのりぬいぐるみ付きの物を持っていたので、日時指定券だけ事前に買っておいた。この日時指定券を買うってのも先延ばしの要因。指定券を買うのがそもそも面倒くさいし、ふらっと好きな時に行けないし、指定した日に予定入ったらどうしようってなるし……しかしそうも言ってられぬ。東京会場は10/18で閉幕なので、うかうかしてると終わってしまう。と、面倒な日時指定券を買ったのだ。

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国立西洋美術館

 

目玉はこの写真の通り、ファン・ゴッホの「ひまわり」。目玉に相応しい展示のされ方をしていた。フェルメールの「ヴァージナルの前に座る若い女性」も目玉なのだろうが、フェルメールの絵は元々サイズが小さいこともあり、展示してある場所も相まって目立たなかったように思う。

個人的には、自分の身長よりも高い特大のキャンバスで見る風景画には心を打たれた。 カナレットの「ヴェネツィア:大運河のレガッタ」が正にそれだ。

 

さて、グッズに関して。

グッズ売り場は入場を制限しているので5分くらい並んでようやく入れた。

すみっコてのりぬいぐるみは全て売り切れ。ただし、てのりぬいぐるみ付きのチケットを持っている人はレジにて交換できる。私はドガのとかげを貰った。

ミニサイズの図録が良い感じだったので購入。あとはポストカードを何枚か。

 

余談だが、ゴッホのひまわりは7枚あり、ロンドン・ナショナル・ギャラリーにあるのは4枚目のひまわり。特徴としては花瓶にフィンセントの署名が入っている事だろうか。

ゴッホファーストネームであるフィンセントを定着させたいと思っていたので、このような試みをしたと何かで読んだ記憶がある。しかしまあ現代においてもゴッホゴッホである。

 

2枚目のひまわりは日本人が所有していた。

通称「芦屋のひまわり」で、第二次世界大戦の空襲で焼失してしまったので幻のひまわりとされる。実は事前に避難できていて、今もどこかに眠っているとしたら夢があるのだが。

 

5枚目のひまわりは日本にあり、損保ジャパンが所有している。

今年の3月にはGINZA SIXの蔦屋書店にひまわりコーナーを設け展示されており、誰でも気軽に無料で観に行けた。写真も自由に撮ってください、何なら一緒に撮りましょうかという神対応だった。

印象的だったのは5枚目のひまわり以外はレプリカなのだが、そっちばっか熱心に写真を撮ってる人が実に多かったこと。誰かが撮り始めると釣られて撮ってしまう典型だろう。

 

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展の会期が延長したのは実に上手いなと思った。

絵画の保管場所としては申し分ない国立西洋美術館に置いておけばいいのだから。素晴らしい保管場所を確保しつつ、見物客からはありがたいと言われるWIN-WINの関係だ。

 

まだ行けてない人は、10/18までなので事前に入場券と日時指定の予約券を用意して、忘れずにどうぞ。

 

江古田のシャノアールが閉店【悲報】

最近のショックな事を書こう(初記事なのに!?)

表題の通り江古田のシャノアールが閉店してしまうとのこと。35年間も続けていたすごく歴史のあるお店だったらしい。

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江古田シャノアール閉店

それなりの頻度で行っていたし、少し古めかしいが、テーブル席が広く落ち着けるカフェだったのでショックでならない。

私は煙草はやらないので、今年の3月からの全席禁煙化で快適になり利用頻度が上がるなと思っていた矢先にコロナ騒ぎでほぼ行かなくなり、最近になってボチボチ行き始め、さあこれから通うぞからの閉店騒動なので余計にだ。

どのくらいショックかと言えば、こうしてブログを開設して初めての投稿にしてしまうくらいだ(これはたまたまだが)

 

折角なので、お世話になっていたシャノアールについてちょっと調べてみた。

 

シャノアール株式会社シャノアールが運営しており、参加にはカフェ・ベローチェなどがあるカフェ・ベローチェってこの辺では見ないけど、都心でそれなりに見かけた記憶がある。今風の外観をしており、シャノアールの古めかしさが全く無かったので、同じ系列とは思わなんだ。

https://chatnoir-company.com/chatnoir/html/aboutus/profile.html

 

その株式会社社シャノアール2020年1月7日にファンド会社のロングリーチに買収されてしまった。ロングリーチは珈琲館やウェンディーズを参加に持つファンドで、ウェンディーズを2016年に、珈琲館を2018年に買収したとのことなので割りと最近の話。

 珈琲館と言えば江古田には既にあるので、シャノアールもロングリーチ傘下に入ったことから同じ系列のカフェが2店あったことに。

https://chatnoir-company.com/chatnoir-upload/files/pr_pdf/pr_20200107_01.pdf

 

因果関係は不明だが、ロングリーチ傘下に入ってからシャノアールが大量に閉店しているとのこと。因果関係は不明だがこれはどう見ても整理だよな……(あまり言うな、消されるぞ!)

近隣だと早稲田のシャノアールが今年の1月に、中村橋が3月に既に閉店したとのこと。

 

これらの事情を知らないうちは、今回の江古田シャノアールの閉店はコロナの影響かと思っていたが、上記2店が1月と3月に閉店となると、コロナの影響で売り上げが悪化してうんぬんで閉店とするには早過ぎるので整理の一環と考えるほうが妥当だ。コロナの影響で閉店が早まった可能性はあるが、遅かれ早かれってとこだろう。

 

ファンドから見てシャノアールの数字は悪かったのだろうか。素人目線で見ても広めの席をコーヒー1杯で粘る人が多かったので、回転率は相当悪そうだ。

スタバが何故最強かと言えば、テイクアウトが多く回転率が非常に良いことだと聞いたことがある。テイクアウトなら席を占有されず、1席当たりの売り上げも自然と高まり(そもそも座ってない)、狭めの店舗でもやっていけるので、そりゃそうだよねって感じ。

そう考えると今はすっかり斜陽だが、タピオカ屋は相当な回転率だったのだろう。

 

さて、気になるのは跡地に何が入りそうかってこと。

江古田は学生街なのにファミレスも無く、たまれる場所が少ないので、シャノアールのような広めのカフェは貴重だった。せめて跡地にはカフェが入って欲しいのだが……

 

早稲田店の跡地にはルノアールが入ったらしい。中村橋は不明だ。

せめてロングリーチ傘下のカフェが入ってくれれば、時代にあったカフェへの切り替え戦略とも考えられ期待できたのだが、全く別のカフェだと完全に撤退ムードであることを覚悟しておいたほうが良さそうだ。

 

こうなってくると跡地にはカフェじゃない可能性も十分考えられる。

江古田お得意の美容院や歯医者だったら目も当てられない。せめてカフェを、カフェを下さい!

 

嗚呼、シャノアール難民は来月から何処へ行くのやら……